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機能性食品
Functional foods

L-カルニチン

L-カルニチン
L-Carnitine

「L-カルニチン」は脂質代謝に深く関与し、脂肪酸をミトコンドリアに取り込みエネルギーとする際に、必須の物質です。

L-カルニチンの働き

L-カルニチンは、必須アミノ酸のリジンとメチオニンから生合成される分子量161.21の非常に小さな化合物です。

L-カルニチンの化学構造式

私たちの筋肉細胞(主に「骨格筋」や「心筋」)に多く存在しており、脂質の代謝に必要不可欠な物質です。脂質の代謝(脂質からエネルギーへの変換)は、細胞のミトコンドリア内で行われます。しかし、脂質は単独ではミトコンドリアの膜を通過できません。脂質が体内に取り込まれると脂肪酸に分解され、「脂肪酸」+「L-カルニチン」の結合によりミトコンドリア内に運ばれます。こうして、脂質がエネルギーへ変換され、体内で活用されます。糖質が瞬発的なエネルギー産生を担うのに対して、脂肪酸は持続的なエネルギー産生を担うことで、筋肉や心臓を効率よく動かしています。
つまり、L-カルニチンは脂肪酸をミトコンドリア内に運ぶ役割を担う成分なのです(図1)。

図1:脂質代謝におけるL-カルニチンの役割
脂質をミトコンドリアに運びエネルギーに変換するお手伝い

L-カルニチンの補給

L-カルニチンは、アミノ酸の類縁体で、私たちの体内でもリジンとメチオニンを前駆体として、主に肝臓や腎臓で5段階の反応過程を経て生合成されます。
体内で使用されるL-カルニチンは、平均的な日本人の場合、全体の約4分の1が体内の生合成、残りの4分の3が食事からの供給と言われており、大部分が食事から補給されています。食品中のL-カルニチンは、表1で示すように、特に肉類に多く含まれていることから、L-カルニチンの補給には肉類の積極的な摂取が有効です。

表1:食品中のカルニチン含量

多田ら 日本栄養食糧学会誌 37.1.13-17 1984

体内のL-カルニチン貯蔵量の変化

体内のL-カルニチンについては、表2に示すように、加齢に伴う生合成能の低下および食事量の減少により、高齢になるほど筋肉中のL-カルニチン(遊離カルニチン、アセチルカルニチン)濃度が低下することがわかっています。また、最近ではダイエットや偏食などにより若年層でもL-カルニチンが不足しがちになっていると言われていることから、年齢を問わず積極的な摂取が必要と考えられます。

表2:加齢に伴うカルニチン貯蔵量の変化

Costellら Biochemical and Biophysical
Research Communications 161.3.1135-1143. 1989

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