ヘム鉄とは
ヘム鉄とは
赤血球の中にはヘモグロビンが存在しています。
ヘム鉄は鉄(Fe)とポリフィリン環にて形成されております。
そのヘモグロビンはヘム鉄(鉄ポリフィリン複合体)とグロビン(たんぱく質)から構成されています。

ヘム鉄と非ヘム鉄
- 1:各種食品中の鉄含量
- 鉄不足を予防するためには、鉄分が豊富なバランスのよい食事を摂ることが大切です。
しかし、鉄含量の多い食品をとるだけでなく、鉄吸収率の高い食品を選んだり、鉄の吸収を高める工夫をしたり、鉄を理解することも必要です。
食品に含まれる鉄には、肉や魚などの動物性食品に多い吸収性の高いヘム鉄と野菜や穀類などに含まれる吸収性の低い非ヘム鉄があります。ヘム鉄を含む動物性食品の方が鉄の吸収率が高いことが知られています。しかし、一般に日本人が食事から摂取する鉄の85%以上が吸収率の低い非ヘム鉄なのが現状です。
食品からの摂取方法としては、吸収性の高いヘム鉄を多く含む食品を摂ることや非ヘム鉄は動物性たんぱく質やビタミンCと摂取することによって吸収率が高まるため、食事の組み合わせを工夫することも大切です。
100gあたり
参考:食品成分表 女子栄養大学出版部
- 2:ヘム鉄と非ヘム鉄の各種文献報告
- ヘム鉄の吸収に関する研究報告がいくつかあります。いずれにおいてもヘム鉄の方が吸収性に優れ、非ヘム鉄より吸収率が5~6倍高い報告となっております。
- 3:ヘム鉄と非ヘム鉄の吸収機構の違い
- 非ヘム鉄は腸管から吸収される際に食物繊維やタンニンなどの吸収阻害を受けていたり、むき出しのまま吸収された鉄が胃壁や腸管を荒らすといった作用がありますが、ヘム鉄は鉄ポルフィリン複合体に囲まれているため、胃壁や腸管を荒さず、食物繊維やタンニンなどの吸収阻害を受けずに吸収されます。さらにヘムオキシゲナーゼで吸収量を調節していますので鉄の過剰摂取の心配がありません。ヘム鉄は身体に優しい鉄素材です。
鉄の現状
鉄はビタミンA、ヨウ素と並ぶ世界の三大欠乏微量栄養素の一つとして問題視されており、日本も例外でなく、不足しているミネラルの一つです。
特に、月経血損失による女性の鉄不足、鉄の要求量が増加する妊婦・授乳婦では深刻です。
参考
木村修一:第15回国際栄養士会議 食品への栄養強化 微量栄養素欠乏と食品栄養強化 2008
独立行政法人 国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報「鉄」
鉄の体内での機能
鉄が不足気味になるのは、鉄は高濃度に含む食品が限られていることや食品から摂取した鉄の小腸での吸収性が極めて僅かで大部分が便中にそのまま排出されてしまうこと、食生活の変化などが要因と考えられます。
鉄と酸素
鉄は一般的に「酸素」と結びつきやすい物質です。そのため、体内での鉄の主な役割は『酸素を身体のすみずみまで運ぶこと』です。これを機能鉄といいます。私達の身体には約60兆個の細胞からなり、全てに酸素を供給することにより細胞の中でエネルギー産生されて、私達が元気に過ごす手助けをしてくれます。
残りの鉄は機能鉄を補うために蓄えられる貯蔵鉄といいます。鉄が不足すると、肝臓や脾臓に蓄えられたフェリチン「貯蔵鉄」を取り崩して貧血にならないようにします。
この貯蔵鉄は予備としてあるものなので、多少減っても身体には貧血の症状として現れてきません。しかし、最近では、フェリチン「貯蔵鉄」が減っただけで精神面、不定愁訴やうつ傾向などの報告があります。
貯蔵鉄のストックがなくなった後に、ヘモグロビンが減少し始め、さらに赤血球が減少し貧血特有の症状が出てきます。酸素を運ぶヘモグロビンが減少し、体内は酸欠状態になります。
その症状として、めまいや息切れ、動悸に加えて、筋力の低下によって疲れや倦怠感、脱力感など様々な症状が現れます。
このように、鉄分は、積極的に摂っていただきたい栄養素です。

